新型コロナウイルスの影響で休業した人への手当などを国が補助する雇用調整助成金(雇調金)を不正に受給したとして、秋田県にかほ市のホテルが秋田労働局から545万円の返還を命じられた。実際には従業員が勤務していたにもかかわらず、「休業した」と偽って申請していたという。不正を裏付ける証拠となったのは、ホテルが取り組んでいたコロナ対策だった。
ホテルは、秋田市から電車で約1時間の人口2万3千人ほどの港町にある。地元では「唯一のシティーホテル」とされる「ホテルエクセルキクスイ」(従業員約50人)に秋田労働局が立ち入り調査に入ったのは昨年10月だった。
「社長はいますか?」。
複数のホテル関係者によると、社長は一時不在だったが、労働局職員らは構わずに、不正を裏付けるタイムカードなどの資料を捜し始めた。
ホテルには緊迫した雰囲気が広がった。なぜなら、勤務表では「休業」とし、タイムカードに記録しないまま勤務している従業員ら数人がいたからだ。実際は勤務しているのに「休業」と偽って雇調金を申請する方法だけに、見つかれば一発アウトとなりかねない。
これらの従業員らは「2階にあ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル